見出し画像

阿波女あきんど大賞受賞者インタビュー VOL.1

阿波女あきんど大賞とは、徳島の地域経済の活性化と女性の社会進出を支援するため、徳島市が各業界を代表する女性経営者とともに結成した「阿波女あきんど塾」が、阿波女の知恵と活力をいかし、徳島の経済活性化のため、活発に経済活動に取り組み、挑戦し続け、活躍している女性を応援する事業です。
 女性の視点でプロジェクトの推進、商品開発等に取り組む経営者を表彰する「経営者部門」、女性が働きやすい職場環境の整備を行い、継続した意識改革を自社に対して働きかけている個人やグループを表彰する「個人・グループ部門」の2つを募集・審査しました。
 2023年はSDGsが目指す「誰一人取り残さない社会」の実現に向けて取り組む2人の女性が表彰されました。

前例のないことにチャレンジ 

目指すは女性初の管理職

個人・グループ部門 株式会社日産サティオ徳島 経営管理グループ社長室採用・広報担当主任 近藤咲子さん

徳島大学を卒業後、新卒で『株式会社日産サティオ徳島』に女性営業職として入社。結婚し、産休、育休を取得後、2022年に職場復帰した近藤さんの歩みは、男性の多い自動車業界では珍しく、会社にとって初めてのことばかりだったといいます。自身の体験を振りかえるいい機会と、入社してちょうど10年の節目に「阿波女あきんど大賞」に応募。悩みながらも自分らしい働き方を模索し、チャレンジしてきた近藤さんの軌跡を紹介します。

「車のこと、わかるん?」「男性営業マンに変わって」
女性営業職時代

-------近藤さんが初めての女性営業職だったんですか?
近藤さん いいえ。以前は女性の営業職もいたようですが、別の部署へ移ったりしていて、入社当時は私だけでした。
-------それなら歓迎されたのでは?
近藤さん そうですね。数年ぶりに女性が入るということで、会社的には喜ばれたと思います。当時の上司は女性ということで、結構プレッシャーを感じていたそうですが。
-------お客様にとっても、女性の営業の方がいると話しやすいイメージです。
近藤さん そういってくださるお客様も多かったんですが、私が入社した10年前は女性の営業職はまだまだ珍しい時代だったので、一部のお客様からは「男性営業マンでお願いしたい」とか「車のこと、わかるん?」と言われることもありました。
-------そうした中でも実績を重ね、女性初の法人営業も担当されるようになったというのはすごいですね。
近藤さん 法人営業部時代は社長と一緒に会社訪問をする機会が多かったんですけど、そのとき、「この会社で働き続ける未来が見えない」という話をしたことがあります。当時はまだ子どももいなかったし、産休、育休をとって復帰した人がピンとこない状況で、「ここで働き続けたいけれど、そうできるかわからない」という不安はありました。
-------今は産休、育休も取得し、職場復帰されていますが・・・。
近藤さん 社長はこの話が結構堪えたそうで、「これではダメだ」と私の意見を取り入れ、会社を変えていってくれています。社長は社員に寄り添って身近で話を聞いてくれる上司。仕事を続けられているのは、そのおかげだと思います。

「早く帰れていいな」何気ない言葉がストレスに

-------仕事と子育ての両立はうまくいっていますか?
近藤さん 実はこの夏頃まで、結構しんどい状況が続いていて。吹っ切れたのはホント、最近です。
-------そうなんですね。
近藤さん 時短勤務で働いている人は私含めてごく一部のスタッフ。周囲の「早く帰れていいな」という何気ない一言に傷つくこともありました。早く帰るといっても子どものお迎えに行って、ご飯作って食べさせて、早く寝かさないかん・・・会社での仕事は終わっても、休めるわけじゃないですし、子どもが急に熱を出して引き継ぎを頼む間もなく、帰らざるを得ない、休まざるを得ないことがあっても、「休み多すぎるんじゃない?」という見方しかされない。産休、育休の制度ができても、それだけでは仕事は続けられないと思いました。
-------そうしたこともあってストレスチェックで「高ストレス判定」を受けたと聞きました。
近藤さん 私自身、メンタルがめちゃくちゃ強い方でもないので、言われたその場で落ち込むというよりは、日々積み重なっていって。「やっぱり、仕事を辞めた方がいいのかな」と真剣に悩みました。
-------それでも仕事を続けようと思ったのはなぜですか?
近藤さん 息子がいたからですね。私がしんどい時も子どもはニコニコして迎えてくれますし、日産という会社をすごく好きになってくれて、「大きくなったら日産で働く」と言うようになったり。子どもにとって親の影響はすごく大きいので、子どもに憧れられる存在でありたいなって思ったときに、ここで挫折してしまうと、もったいないと思うようになりました。

-------なるほど。
近藤さん 女性での法人営業も初めて、時短勤務制度で復職したのも初めて、広報・採用部門を任されたのも初めて。どうせだったら管理職も私が初めてやりたいな、と。これから育休とか産休とか取りやすい会社にしていくためには、当事者同士の意見がすごく大事。トップダウンではなく、現場から要望を吸い上げないといけないと思ったので、社内の子育て環境を改善するためのワークライフバランス委員会を設立しました。
-------ワークライフバランス委員会、いいですね!
近藤さん ちゃんと人が集まるか、運営していけるかとすごく不安だったんですけど、いろんな人が参加してくれました。「近藤さんがするなら参加する」とメンバーになってくれた人もいて、それはすごく嬉しかったですね。定期的に集まってマニュアルを作ったり、意見を集約して社長にフィードバックしながら、進めています。

今の時代に沿った働き方で キャリアアップを目指す

----様々なチャレンジを続けてこられた近藤さんですが、最近はどのようなお仕事をされていますか?

近藤さん 空き会議室を一般開放したシェアスペースサービス『Gruppo!!』の運営や徳島市との包括連携協定を含む行政との連携事業、社長の念願だった全社員が集う社員総会も行いました。
----SDGsへの取り組みも熱心ですよね。
近藤さん 子どもたちにもわかりやすいよう、 2030年に株式会社日産サティオ徳島が目指すVISIONとSDGsを組み合わせたイラストをグラレコで描いてもらいました。社員一人一人がチャレンジしたくなるようなイラストだと思います。

----新入社員も含め、近藤さんの後に続く女性社員にとって近藤さんがいきいきと働いている姿は目標になりますね。
近藤さん 前例がなく、苦労したこともたくさんありましたが、今の時代に沿った働き方が私スタートで出来ていることは大きかったです。休みをしっかり取り、時短勤務という限られた時間の中で効率的に業務を進め、キャリアアップしていくことが私の役目だと思っています。

日産サティオ徳島
https://ns-tokushima.nissan-dealer.jp/

#徳島県
#徳島市
#阿波女あきんど大賞
#キャリア
#多様性を考える
#仕事について話そう
#働き方
#女性活躍
#女性管理職
#ダイバーシティアンドインクルージョン
#ダイバーシティ・エクイティアンドインクルージョン
#SDGs
#日産自動車